【コンセンサス】話し合いの力が身につく!NASAゲームとは?【ゲーム】

目次

話し合い…形だけになっていませんか?

話し合う友達

 「話し合い活動は大切!」

 …それは分かるけど、実際に話し合い活動を充実したものにするのって難しくないですか…?

実は僕も結構苦手です…。

 自分が話し合い活動をしていて感じる難しさは、

  • 班の意見が、よく発言する子の意見になってしまう
  • 子どもが元々もっている基礎知識の違い
  • 自分の意見と他の人の意見の折り合いをつけること

です。

 そんなときに試してみて、手ごたえを感じたのがコンセンサスゲーム(NASAゲーム)でした。

 昔から、企業の新入社員のアイスブレイクなどでも取り入れられているゲームです。

 ただ、話し合うのではなく、グループ内で合意形成(コンセンサス)を得ることをに重きを置いており、徐々に他教科の話し合いもスムーズに進められるようになりました。

合意形成(コンセンサス)とは…?

手を握って協力する

 合意形成(コンセンサス)とは以下のような意味があります。

 合意形成(コンセンサス) … 相手と意見を一致させる。意識や認識を合わせる。

 なので、このNASAゲームは、ただ話し合うだけではありません。

与えられた課題に対して、グループで協力しながらみんなが合意した(納得した)答えを導き出すゲームなのです。

NASAゲームのメリット

飛び立つロケット

説明力の向上に繋がる

 このNASAゲームを進めていく上で、子供たちは「みんなに納得してもらうためにはどうしたらいいか」「どうしたら自分の考えをうまく伝えることができるか」という壁にぶつかります。

というのも、複数人で合意形成を得つつ、考えをまとめるというのは大人でも至難の業です。

 その壁を乗り越えるため、試行錯誤することで説明する力が育ちます。

他の人の意見を受容する態度が育つ

 人と関わる上で「自分の考え」ももちろん大切です。しかし、それだけでは学校や社会でうまく関係を築くことは難しいです。

自分の意見ももちろん大切にしなければいけませんが、それと同じくらい、他の人の意見も大切にしなければなりません。他の人の意見を受容し、自分の意見と比べながら調整する(折り合いをつけていく)ことが必要です。

NASAゲームの進め方

地図を見て進む人

 NASAゲーム進め方は以下の通りです。

  • シナリオの確認
  • アイテムの確認
  • 個人でアイテムに重要度をつける
  • グループで話し合い、グループとしての解答を決定する
  • 答え合わせ

全ての順位を決めるのは難しいと思うので、1位~5位までなど、絞って課題を出すと時間もちょうどいいかなと思います。

シナリオ

あなたたちは宇宙飛行士です。月の調査をするため、宇宙船に乗っています。

突然宇宙船が故障してしまい、月に不時着してしまいました。

今いる場所から、母船(他の宇宙飛行士がいるところ)まで、200マイル(約320キロメートル)離れています。

不時着の衝撃で宇宙船はほとんど壊れてしまって使えません。

ですが、次の15個のアイテムだけは、無事残っていました。

母船(他の宇宙飛行士がいるところ)に無事たどり着くために、15個のアイテムを重要度の高い順に並べましょう。

アイテム

  • 水(20リットル)
  • ソーラー発電FM式ラジオ
  • 粉ミルク(1キログラム)
  • 方位磁針
  • 照明弾
  • 注射器入り救急箱
  • ナイロン製のロープ(15メートル)
  • 月用の星座表
  • 宇宙食
  • マッチ(箱付き)
  • 酸素ボンベ(2本)
  • パラシュート
  • ソーラー発電式ヒーター
  • 自動で膨らむ救命ボート
  • 45口径のピストル(2丁)

模範解答(優先順位のランク)

 グループでの解答がまとまったら、模範解答を確認します。ここで子どもたちは一喜一憂します(笑)が、「グループで協力して解答を導き出した過程が大切」ということは、伝えましょう。

スクロールできます
    順位   理由
【第1位】 
 酸素ボンベ(2本)
生き抜くために酸素は絶対に必要。
【第2位】
 水(20リットル)
生きていく上で水も絶対に必要。特に日航がよく当たる月面では、水分消費が激しい。
【第3位】
 月用の星座表
母船に向かう際、進むべき方向を確かめるうえで必要。
【第4位】
 宇宙食
生きる上でエネルギーの補給も大切。水や酸素よりは優先順位は劣る。
【第5位】
 ソーラー発電式FMラジオ
母船と連絡を取ることができる。ただし、FMなので距離が近い時でないと通信ができない。
【第6位】
 ナイロン製のロープ(15メートル)
けが人を運んだり、崖の高さを測ったりすることができる。
【第7位】
 注射器入り救急箱
宇宙服の特殊な孔から、ビタミン剤や薬を注入することができる。
【第8位】
 パラシュート
太陽の強い光を遮断することができる。
【第9位】
 自動で膨らむ救命ボート
炭酸ガスボンベが、進むときの推進力として使えるかもしれない。
【第10位】
 照明弾
母船が近くなってきたときに、救難信号として使うことができる。
【第11位】
 45口径のピストル(2丁)
発射の反動を推進力にして進むことができる。
【第12位】
 粉ミルク(1キログラム)
エネルギーの補給ができるが、水がないと補給できない。また、重さがある。
【第13位
 ソーラー発電式ヒーター
月の表面温度は、昼間が110℃、夜間は-170℃なので、使う時間が限られてしまう。
【第14位】
 方位磁針
月面では磁気がないので方位磁針は役に立たない。
【第15位】
 マッチ(箱付き)
宇宙には酸素がないので燃やすことができない。

NASAゲームを行う際の注意点

ルールの確認

他の人の意見を否定しない

 NASAゲームは自分の今までの知識や経験を基に優先順位を考えます。

なので、「自分の考えは正しいと思うから、この考えを通したい!」と子供が感じる場面があります。と、同時に他の人の意見を聞く中で「自分の意見に都合の悪い意見」と出会う場面が出てきてしまいます。

そこがNASAゲームにおける子供の成長場面なので、「自分と違う意見があっても、まずは否定せずに話を聞く」ということを事前に伝えておきましょう。

グループみんなが納得できるように

 このゲームの目的は、正解することではなく合意形成(コンセンサス)が1番の目的です。全員が100%納得するのは難しいですが、折り合いをつけて、みんなが80%ずつ納得した上で解答を出すことを目指しましょう。

 時間制限もあるので、難しい部分も出てくると思います。多数決のように誰かの意見を切り捨てるのではなく、「間違っていたとしても、グループのみんなが少しずつ納得して順位を決めること」も事前に伝えてからゲームを始めましょう。

NASAゲームでクラスの力を高めよう!

手を上げる子供

 いかがでしたでしょうか。

冒頭にもお伝えした通り、

話し合ってみましょう!

と言っても、なかなかうまく進まないのが実際のところだと思います。

教科の中でうまく合意形成を図りながら話し合うためにも、NASAゲームなどのコンセンサスゲームを活用しながら話し合いの練習をするのもいいと思います。

また、今回のシナリオとアイテムをPDFにしました。よければ下のボタンからダウンロードして使ってください。

ぜひ、活用してみてください!

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