それって好き嫌い?それとも偏食?
お家や学校で子供と関わる中で「食べたくない!」「嫌い!無理!」と言って食べ物を残してしまうことありませんか?
せっかく作ったご飯や配った給食なのに、そんなことを言われても悲しいですよね…。
また、ついつい
きちんと食べなさい!!!
と叱りたい気持ちも分かります…。
ただ、子どもたちにも仕方のない部分や言い分もあるのかな、と思います。
また、その子が食べられないのは「好き嫌い」なのか「偏食」なのか、もよく見ていく必要があります。
そもそも「好き嫌い」と「偏食」の違いは
- 好き嫌い … 食べ物をえり好みすること。好きなものと嫌いなものがあり、嫌いなものは食べたがらない。
- 偏食 … 好き嫌いが激しく、特定の物しか食べられない状態。栄養に偏りが出てしまう可能性がある。
つまり、
ポテトやレタスやハンバーグは好き!ピーマンは苦手だな…
というように、自分の食べ物の好みを基準にして選ぶことができる状態が好き嫌いです。
一方、
お米しか食べられない!他の物は無理!
というように、特定の物しか食べられず、選ぶ選択肢がない状態が偏食です。
今回は主に「偏食のある子供たちへの関わり方」を考えていきますが、「好き嫌いのある子」と関わる際も参考になる部分があると思います。ぜひ最後まで見ていただけると嬉しいです。
〈 プロフィール 〉
- 小学校特別支援学級担任(中学経験有)
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偏食な子への支援
「食べられない=わがまま」ではない
まず、偏食がある子供と関わる上で1番大切にしてほしいことが「食べられない=わがまま」という考えを捨てることです。
昔は先生たちから
残さず食べましょう!全て食べないと昼休みはありませんよ1
といった「完食指導」が当たり前でした。
私もどうしても食べられないときは口に含んでおいて、トイレに吐いてしまうこともありました…。
しかし、この指導だと「食べること=苦痛」になってしまい、今後の長い人生に悪影響を与えてしまいます。なので、現在は、学校でも「一口でもチャレンジしてみよう!という指導」に変わっています。
いくら待っても食べてくれないという状況は、こちらとしてもストレスになってしまいます。
まずは、「食べられない=わがまま」という考えを捨てて、子どもたちと関わっていきましょう。
実態をチェックしましょう
とにかくまずは目の前の子がどんな時に食べられて、どんな時は食べられないのか実態の把握に努めましょう。
大きく分けて「身体面」「環境面」の2つに分けてチェックしていきます。
口腔機能はうまく機能しているか(かみちぎる、咀嚼する、飲み込むなど…)
アレルギーではないか
感覚過敏(味覚、嗅覚、聴覚など)はないか
食べられないときの状況(環境や時間)
食べ物の大きさ・色・におい
2つ以上の物が混ざっていないか(ライスにカレーをかけているなど)
ソースやたれの有り無し
食事の時の空腹状態(お菓子などを食べすぎていないか、運動はしているかなど)
などをチェックしてみましょう!
感覚過敏のある子にとって、食事はかなり難しいものです。
揚げ物の衣が刺さるように感じる子もいれば、物を噛む音が頭の中に響いてしまって気持ち悪くなってしまうなど…。
そんなことある?別に普通だけど…?
と思うようなことも偏食の要因の1つになります。
また、環境も見直してみるといいと思います。
カレーライスは食べられない!
という子どもも、実は、
カレーライスが食べられない
ライスにカレーかかっていると食べられない
ということも、往々にしてあります。
なので、「別々なら食べられる!」「ソースをとれば食べられる!」など、そんなことで食べられるようになるの!?ということもあります。(子どもたちにとっては重大な問題なんです)
ぜひ食べるときの環境も見直してみてください。
食べ物に対する安心感(見通し)をもたせる
「おいしくなさそう」「どんなものか分からない」という不安を感じて残す子も多いと思います。いわゆる「食わず嫌い」です。
しかし、ただ食べたくないのではなく、不安を感じていて手をつけられないという場合が多いです。
これってなに?なにが入っているの~?
などと聞いてくる子どもは、不安を感じていて見通しをもてていないことが多いです。
なので、無理やり食べさせるのではなく、支援者が、
- 材料がどんなものか説明する
- どんな味が近いか伝える
- 「これはおいしいな~!」と伝えながら食べる
などといった様子を見せることで、安心感が生まれてチャレンジできることがあります。
おいしいことを伝えるときは、できるだけオーバーに言ってみよう!
苦手なものを食べさせることに固執しない
パンは苦手なんだよ!パサパサしてるし…。
という子も、砂糖が付いているラスクだったら食べられるということがあります。
材料は同じでも、好きな味付けだったり、触感だったりすると食べられる、ということがあります。
他にも、
ヨーグルト → チーズ
とんかつ → 生姜焼き
トマト → ケチャップ
なんてこともあります。
なので、「苦手なものをどうにか食べさせよう!」と考えるのではなく、「同じ材料で食べられる料理や味付けはないかな?」と方向転換して考えることも大切だと思います。
それはNG!やってはいけない関わり方
無理やり食べさせる
まず、食事指導をする上で重要なのが「食べること=苦痛」にしないことです。
大人でも苦手なものが出ると少しテンションが下がりますよね…。
子どもたちも同じです。まして、偏食がある子どもにとっては食べられるものを探すので精一杯になってしまうのが食事です。
食べたくないんじゃなくて、食べられるものがないんだよ!
なので、そこで無理やり食べさせてしまうと、食べること自体が苦痛に繋がり、将来的にはさらなる偏食・栄養失調・拒食・過食などに繋がってしまいます。
支援者の感覚を押し付けすぎない
子供たちは、私たちが思っている以上に身近な大人(家族や先生、親戚など)からとても大きな影響を受けています。
ヘビって見た目がなんか嫌なんだよね~
と、聞き続けた子どもは
ヘビはなんか嫌だな!
と、自分の感覚で判断するのではなく、親の言葉の影響を受けてしまいます。もしかしたら、将来ヘビ博士になるかもしれないのに…。
これは食べ物でも同様のことが言えると思います。
なので、「親の感覚を押し付けるのではなく、まずは子どもにゆだねてみる」というスタンスで関わっていく必要があるかな、と思います。
まとめ 「 食べること = 楽しい 」を目標にしていこう!
いかがでしたでしょうか。
まとめると、具体的な関わり方とNGな関わり方は以下のようになります。
具体的な関わり方
- 「食べられない=わがまま」という意識をなくす
- 実態をチェック
- 食べ物に対する安心感(見通し)をもたせる
- 苦手なものを食べさせることに固執しない
NGな関わり方
- 無理やり食べさせる
- 支援者の感覚を押し付けすぎない
食べることは本来とても幸せなことです。
昔々は「生命維持のための食事」でしたが、今はある程度食べるものを選べる時代です。
なので、まずは「食事が楽しい!」と思えることが1番の目標かな、と思います。
また、どうしても難しい時は医師に相談しましょう。支援する私たちも気負いすぎることはありません。
長い目で見て子どもたちと関わっていきましょう!
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